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KING'S FIELD II

Story

ヴァーダイトの森の奥には古びた石碑があり、ハイエルフの古代文字で何らかの文章が刻まれている。
それは途中まで解析され、こう書かれていることがわかっている。
【青い光を伴った巨大な船が天から墜ち、島の地中深く沈んだ】

 ジャンが再び地上に戻った時には、彼が父の姿を探しに墓所へ入ってから、すでに6月(むつき)が過ぎ去っていた。城門の守備隊は唯独り墓所から還ってきた彼に目を留め、城壁の中の宿へと迎え入れた。やがて彼の傍らに一人の年長者が進み寄り、「誰一人戻らぬ墓所からよくぞ戻って参りました。」と言い、全ての経緯について一つずつ問い始めた。彼は己の父の事に加え、魔族の正体を現した国王との戦いについて話し、ムーンライトソードを皆に掲げた。話を聞いた皆は驚き、偉業を成し遂げた若者を讃え国を委ねた。これがヴァーダイト皇王アルフレッドI世誕生のいきさつである。
 ジャンは聖剣と共に国の象徴となり、善政を敷いた。この小さな国には平穏が戻り、数年の時が流れていった。その間、

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皇王には后が嫁ぎ、二子が生まれ、国は湧 いた。

 ヴァーダイト国は四方を森に囲まれており、大陸北方三国と呼ばれる国のーつである。西の森奥にはグラナティキ国、南の森を行くとイグレック国がある。北の森の奥にはヴェルド海が広がり、全ては平ノ穏な時を過ごしていた。
「やがてこの平穏は崩れ去る時がくるであろうか。」皇王は后に問うと,彼女はうたた寝をする2人の皇太子を見つめながら「王と聖剣がここにある限りいつまで も続きますわ。」と穏やかに答えた。
王は城の窓から遠くを見つめ,これから起こり得る惨劇を予測するかの様に遠く何時までも東の森を見つめていた。

 だが、悪夢はこれまでの静けさを嘲笑うかの如く現れ、平穏は突如として崩れ去った。
事発端であるが、グラナティキとヴァーダイトの国境にあるヌエツという村の猟師が森に獲物を求め、2週間経っても戻って来いなかった。捜索隊が出発して5 日が経ち、6日目の早朝に捜索隊の一人

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が戻ったが、彼は「魔の獣が現れ、隊は全滅した。」そう小さく述べると息絶えてしまったのである。
ヌエツの村は恐怖に包まれ、大陸は再び災いの闇に包まれようとしていた。

 皇王は幾度となく討伐に出かけ、城に戻った。だが、そんな折り宝物庫から、国の象徴でもあるムーンライトソードが奪われていることが判明した。選ばれし者のみが扱うことのできる聖剣を一体何者が持ち出したのか?緊急に情報を収集した結果、ヴェルド海に浮かぶメラナット島に最近『教王』を名乗り現れた男が聖剣の情報を探っていたことが判明した。そこで真相を確かめることにし、島に兵を送ったが探索の期限を幾日過ぎても何の連絡もないうえ、誰一人として帰還しなかった。
報告を受けた皇王は一連の出来事に何か大きな力が働いているような不安を覚えていた。
自らの体に母が残した僅かな前王家の血のためか、彼の勘は異様に鋭かったのである。幾度目かの討伐から戻ったとき、旧い友人であるアレフ・ガルーシャ・レグナスが城を訪れており、不安を抱えた皇王は彼に相談を持ちかけることにした。

 

 アレフ・ガルーシャ・レグナスは、グラナティキの第2皇子である。幼い頃より、ヴァーダイトの前護衛隊長ハウザー・フォレスターに師事し剣を学んだ若者で、ジャンには弟のようにかわいがられており、剣を通じた良き友でもある。

 魔獣の出現と聖剣強奪の話を聞き終え、アレフは「見えない何かの力を感じる」という言葉に興味を覚えた。それは、今まで一度も外れたことがなかったジャンの勘だからである。
アレフは森の奥深くに住むエルフたちの言い伝えを思い出していた。
「島には太古に落ちてきた眠れる者がおり、決して近づいてはならない。」
眠れる者とは一体何者なのか、今回の魔物と関係はあるのだろうか。アレフはジャンに今回の事件に関する全ての調査を任せるよう申し出た。友の身分を考えジャンはー旦断ったものの、彼の強い意志に根負けし、全てを託すこととした。

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 国に戻ったアレフは、メラナットヘ向かう準備を進めた。友人の助けになるということが大儀ではあったが、何よりも皇王の言った「大きな力」と「眠れる者」の正体を確かめてみたかったのである。
だが、メラナットヘ向け船を出したアレフには、想像より大きな困難が待ち構えていた。彼の船は突然どこから現れたともしれぬ魔物の群により、瞬時に粉々に されてしまったのである。
浜辺に打ち上げられ穏やかな波の音に気付いたアレフは唯独りであった。彼は浜の岩礁に倒れかかっており、身につけていた装備は全て失っていた。島を見据え た彼は、その様相にただならぬ雰囲気を感じ取った。だが、唯一ブーツに残っていたダガーを右手に取ると、生きながらえたことのみに自らを奮い立たせ、暗い浜辺を歩き出した。この島に眠る何者かの正体を暴き、友の剣を取り戻すのだという堅い決意の元に。

 メラナット島。
その昔、大陸の北に住むハイエルフが信仰の対象として移り住み、神殿を築いたが、地中深くより現れた魔物に襲われ、大陸の森奥深く現れた戦士の健闘もむなしく滅ばされてしまった。
大陸北方の森に住むエルフたちの間に「島に決して近づいてはならない。」という言い伝えが残っだのはこの時からである。

 島に渡ったハイエルフが滅んで数千年後、現在の大陸北方三国がまだ一つの国だった頃には、その魔力により『風の王』と呼ばれたハーバインⅢ世が城を築こうとしたが、やはり魔物の妨害により断念させられ、そのために力を弱め国は割れ、王は滅んでしまった。
 このとき造られた灯台には魔導師ツェデックの魔力で灯された火が今も燃え続け、主の帰りを待っているが、神が住むとも魔物が住むとも言われる島に近づく者はおらず、ただダークエルフのみが時折船を出すのみであった。そのためしばらくの間海賊たちの拠点となっていたが、やはりいつの間にか居なくなってしまった。
 最近では良質の水晶が産出するという

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噂が流れており、貧しい民たちの中には命の危険を冒してでも富を手に入れるため島に渡る者もいる。
 だがこの島には原因の分からない毒があり、長い間島にいるとやがて衰弱し死んでしまうという。島に流れる水にはその毒を押さえる効果があり、太古のハイエルフたちが崇拝していた白い竜が与えた物だといわれているが、いずれにしても長期間この島に住んだ者はこの島を離れて生きることはできない。また、島の毒を消す以外にも何種類かの水があると言われているが、その場所・色はよく知られていない。

 また、島で産出するクリスタルの中には特別な色を放つ物が存在する。それらは島に充満しているエネルギーの澱みにより生成されたと言われており、魔力の素養がある者が使用するとその力を手に入れることができるといわれている。

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The Japanese version of this text is taken from the KING’S FIELD II instruction manual. All other versions are translations of the original Japanese text arranged to the best of the contributors’ ability. If you believe you can improve upon a translation you should not hesitate to offer to do so.

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